行動計画は、看護師が看護過程の中で目標を達成するために実施する行動を記したものです。行動計画を書くには、まず患者さんの状態をしっかりと把握する必要があります。そこで重要なカギとなるのが、アセスメントを通した情報収集です。
アセスメントとは、客観的に評価・査定することを意味する言葉です。看護現場におけるアセスメントとは、患者さんの状態を観察し、そして問診・測定をしたうえで、分析・評価することを指します。これは、適切な看護ケアを提供するために最も大切な行為です。求められるケアは患者さんによって違います。アセスメントをきちんとしておくことで、合併症のリスクを軽減したり、早期発見につなげたりと、患者さんに合った形で質の高いサポートができるようになるのです。
情報収集の際は、バイタルサインのみならず、日頃の生活習慣などを患者さんの家族から聞く必要があります。その情報も含めて分析し、どんな問題があるのかを明確にしていきます。その分析と問題点の把握に役立つのが、14の基本的欲求の「ヘンダーソン」と、11の機能的健康パターンの「ゴードン」、5つの人間のニードの階層構造の「マズロー」です。
「ヘンダーソン」は、人間の基本的欲求に基づく14の基本的看護の構成要素を挙げたものです。「正常に呼吸する」「適切に飲食する」といったパターンがあり、日常的な健康状態や回復状態などを可視化する指標にできます。実際、そういった基本的欲求の行動パターンが制限されることでストレスとなり、治療の弊害になるケースもあるため、心身ともに後押しするようなサポートを考える必要性が出てきます。
「ゴードン」は、機能的な健康的パターンを患者さんの情報と照らし合わせて整理するために活用できるものです。「マズロー」は人の心理的欲求の段階で、第一段階が生理的欲求、第二段階が安全欲求、第三段階が社会的欲求、第四段階が尊厳欲求、第五段階が自己実現欲求と段階が分かれた指標であり、心理的観点のケアの参考になります。